PRINCE2は元々英国政府が策定されたプロジェクトマネジメント手法です。
日本では、プロジェクトマネジメント手法といえば米国PMIが策定したPMBOKの知名度が圧倒的に高いですが、欧州では、PRINCE2も同様の知名度があり、国連関連のプロジェクトは基本的にPRINCE2をベースに進められています。
PMBOKは、プロジェクトマネジメントを実行するに必要なナレッジや技法など(How:どう行うか?)に関する記述が中心ですが、PRINCE2は手順やプロセスに関する記述(What:なにを行うか?)が中心です。
また、PMBOKはステークホルダーから依頼された範囲につき、プロジェクトマネージャが全責任を負いプロジェクトを実施するという考え方を基本とし与えられたリソース内でプロジェクトをクローズさせられたかによりプロジェクトの評価をおこないますが、PRINCE2はプロジェクトマネージャだけでなく、プロジェクトを依頼した組織を代表する立場の役割(エグゼクティブ)なども含んで組織全体としてプロジェクトを推進していくという考え方を基本にしてそのプロジェクトがいかに組織に価値をもたらしたかでプロジェクトの評価をおこないます。
以下、両者の違いをまとめております。
PMBOK | PRINCE2 |
プロジェクトの開始から終了までをマネジメントする際に活用可能な広範囲なプロジェクト・マネジメントの能力や技法 | プロジェクトの開始から終了までをマネジメントする際に適用可能な一連のプロセスとプラクティス |
プロジェクトマネージャが対象 | プロジェクトマネジメントの役割すべてが対象 |
実施する方法としての様々な技法(How) | 誰が、いつ、なにを実施する必要があるかの枠組み(What) |
技法を解説する | 技法を参照する |
依頼組織から与えられてリソースからどれだけ乖離せずにプロジェクトをクローズできたかで評価 | 依頼組織に対してどれだけのベネフィット(価値)をもたらせたかで評価 |
※弊社の見解
PMBOKとPRINCE2は、視点が異なるものなので優劣を比較するものではなく、共存できるものです。
つまり、両者の良いところ、使えるところをうまく取り込んで、組織のプロジェクトを推進していくべきであると考えます。
具体的には、PRINCE2にて「プロジェクトで実行すべきこと(What)」を理解し、PMBOKにて「利用可能な技法に関する知識(How)」を身につけることで、組織としてプロジェクトを成功に導けるスキルを身につけることが可能となります。
【資格の比較】
PMBOKの資格はPMP(Project Management Professional)というものが存在しますが、この資格は、学歴やプロジェクトマネジメントの経験など受験資格に制限があります。
(大卒で3500時間以上、高卒で7500時間以上のプロジェクトマネジメント経験及び35時間以上の教育受講)
また、資格取得後も、継続的な学習(3年間で60時間(60PDU)以上)をしなければ資格を維持することはできません。 一方で、PRINCE2の基礎資格であるPRINCE2-7ファンデーションは、特に制限なく誰でも受験可能であり、資格の更新要件等もありません。
(上位資格であるプラクティショナーは、受験要件や更新要件があります)
難易度的は、当然PRINCE2-7ファンデーションの方がPMPよりも容易です。
PMPはプロジェクトマネージャなどのプロジェクトのエキスパートを目指す方向けの資格であり、PRINCE2ファンデーションは、プロジェクトに参加する一般メンバーなど関係者全員が知っておくべきプロジェクトの基礎知識を習得した証として取得する資格であると、お考えいただくと良いと思います。
なお、弊社のPRINCE2研修は、PMP受験の前提条件である35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講時間に算入可能です。
また、PMP資格を取得されている方が、PRINCE2の研修を受けられることで、条件により学習時間に応じたPDUを登録することが可能です。
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