「いつITIL4に移行すべきか?」「ITIL4を導入するにはどうすればいいか?」というご質問を時々いただきますが…

まず、大前提として理解していただきたいのは、「ITILはサービスマネジメントのベストプラクティス(お手本)なので、導入や準拠すべきものではない。」ということです。

つまり、やるべきことはITILではなく、サービスマネジメントです。ITILはサービスマネジメントの導入やその品質改善を行う際に参考となるヒントやノウハウを体系化した「ひとつのお手本」に過ぎません。

従って、現状のサービスを無理にITIL4に合わせる必要はありません。

他のページでも説明しているように、これまでのITIL(V3-2011)の要素が必要な組織(V3-2011が想定しているサービスレベルに到達していない組織)はこれまでのITILを参考にしながらの改善を 引き続き行っていけばよいと思います。

それを踏まえたうえで、ITIL4をどう組織で活用するか?のヒントを解説したいと思います。

これまでのITILと比較したITIL4の大きな特徴は、
(1)IT部門(もしくはITベンダー)がIT利用者に対して提供する「ITサービス」だけでなく、組織が消費者に対して提供する「IT対応サービス」へと対象とするサービスの範囲が拡大した
(2)プロセスアプローチによるサービス改善からサービスバリューストリームによるサービス改善への変化(詳細はこちらで解説しています)
(3)ITとビジネスそしてその他の利害関係者が一緒に価値を作っていく(価値共創)
(4)アジャイル・DevOps・リーン・クラウドなどといった「新しい働き方」に対応した
ことです。

具体的には、新幹線の座席予約・タクシーの迎車予約・ハンバーガーショップでの注文などで実用化されているリアルタイムでのモバイルオーダーに代表されるような、ITとビジネスが融合して新たな価値を創造していく「デジタルトランスフォーメーション(DX)時代のサービスマネジメント」です。

そのようなサービスをすでに提供しいている、もしくは提供する必要がある組織であればITIL4の要素はすぐに実務に生かせます。
具体的には、ITIL4の体系全体を理解し、それを現在のサービス内容と比較し、自組織に足りてない部分・改善が必要な部分を可視化して、今後の改善計画を立てる。
そしてその改善をおこなうために必要な要素やノウハウをITIL4から取り入れるという形で活用できます。(もちろん、すべて取り入れる必要はありません)

一方、そこまでITを活用していない組織であれば、 ITIL4を「今後の参考として」学習し、例えば今までのITILでは想定していなかったアジャイルやクラウド対応の要素など「使えるところを使っていく」という視点で、両方のバージョンを参考にし、改善活動を行っていけばよいかと思います。

繰り返しになりますが、サービスマネジメントをおこなう目的は、ITILに準拠することではなく、サービスの品質を向上させることです。
ITILはそのためのヒントやノウハウを体系化した「ひとつのお手本」に過ぎません。

従って、「どのバージョンを使うべきか?」は組織の目的や現在の成熟度に合わせて判断すればよいかと思います。(組織の状況によっては、すでに絶版となっているV1やV2、もしくはISO/IEC20000SIAMPRINCE2など他のフレームワークも参考となるかもしれません)

弊社IT&ストラテジーコンサルティングでは、このような考え方に基づき、お客様のサービスマネジメントの品質向上のお手伝いを、研修やコンサルティングサービスを通じて行っております。
改善の進め方がわからない?改善活動がうまくいかない?という方はぜひお気軽にご相談ください。(受注するまでのご相談は無料です)

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