ITIL4は、これまでのITILとは基本概念が大きく異なります。 ITIL(V3)とITIL4の違いを理解せずに「新しい方がよい」と短絡的に判断するのは危険です。

ITIL4は、デジタルトランスフォーメーション(DX)やアジャイルやクラウドサービスの活用といった新しい働き方を見据えた「これからの」ITサービスのあるべき姿をまとめいています。

特に、大きく変わった点は、
1.「ビジネス(利用者側)にサービスを提供する」という視点から、「ビジネスとITが一緒に価値を共創していく」という視点になった。

2.プロセスではなく、バリューチェーンという形でサービスを提供する。


ということです。
以下の表は弊社がまとめた、両者の違いです。

ITIL(V3) ITIL4
コア書籍の数 5冊 6冊
コア書籍の構成 ライフサイクル モジュール
価値提供方法 ITがビジネスに価値を提供 ITとビジネスが価値を共創
活動方法 プロセスアプローチ バリューチェーン
活動の定義 26のプロセスと4つの機能 34のプラクティス

これから勉強するもしくは資格を取得するならITIL4がいいのか?

という質問をよくいただきますが、我々の回答は

「なにを目的としてITILを勉強するのか?」を考えて判断してください。

ということです。

いま日本でITILを勉強する、もしくは資格取得目指す方々のニーズは、大きく2つあると認識してます。

1つ目のニーズITサービスの現場で使われている「共通用語としてのITIL」
もう一つは「高品質のITサービスを提供するノウハウとしてのITIL」です。

具体的には、「ITサービスに従事している人に対して自社のプロセスや使っている用語を理解させるため」ということ、「今後ITサービスの品質改善のために参考となる先進事例を知るため」ということです。

前者が目的であるなら、現行のV3を学習すべきです!
ITIL4は前述の通り、構成が大きく変わっていますので、これまでITILを学習した人の知っていることとは乖離してしまい共通用語とする目的から外れてします。

後者が目的であるなら「これからの参考のために」ITIL4を学習する価値があるかと思います。
ただし気を付けないといけないのは、ITIL(V3)で定義している「プロセスアプローチによるITサービス」ができていないレベルの組織がITIL4でいう「バリューチェーンでのITサービス」を提供するのは難しいということです。
つまり、ITサービスの業務手順が確立されていなければ(自分たちの業務がきちんと整理できないのであれば)、ビジネス(IT利用者側)と価値を共創することは困難であるということです。

そのような組織の方は、まずはITIL(V3)を参考にして、サービスの改善を行うことをお勧めします。
基本的部分はV3に基づいて改善をおこない、例えばアジャイルやクラウドなどITIL4で新たに含まれた要素で使えそうな部分を使っていくという方法が有益かと思います。
ITIL(V3)のプロセスアプローチによるITサービスが実現できている、もしくは実現が見えてきたら、ITIL4で定義している新しいサービスマネジメントの実現に挑戦してみましょう!

ITIL(V3)からITIL4への移行は、バージョンアップではなく、ステップアップである

と認識しましょう。

ITサービスマネジメントおよびITIL

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